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家づくりQ&A週刊かふう特別編集「こんな家に住みたい」セレクション

本書によく出てくる用語解説

この本では、専門的な建築用語はできるだけ使わないように心がけました。
ここでは、本書の51件分すべてに出てくる
「構造」と「用途地域」について簡潔に解説します。
また、住まいの居心地を左右し、
あらゆる家の説明文に登場する「窓」についても解説しましょう。

「構造」と「用途地域」

鉄筋コンクリート構造
 コンクリートを鉄筋で補強した構造のこと。英語表記のReinforced Concreteの頭文字を取ってRC造とも呼ばれます。引っ張りに強い材料である鉄筋を、圧縮に強いコンクリートの中に入れ、それぞれの材料の特性を生かし躯体の強度を高めています。他の構造と比べると、住宅の法定耐用年数は47年と最も長く、設計の自由度にも優れ、施主の意向を反映した間取りやデザインを実現しやすいという特長があります。沖縄では新築住宅の多くがRC造です。
鉄筋コンクリート壁式構造
 鉄筋コンクリート構造の一つ。柱や梁を設けず、壁と床だけで建物の荷重を支える構造のこと。柱と梁がないため、壁と天井の接合部に出っ張りがなく、室内を広く有効に使うことができ、建築費も抑えられるというメリットがあります。耐力に余裕をもたせるために、耐震壁の配筋量を増やし強度を高めることもあります。地上5階以下、軒高16メートル以下などの制限事項があり、一戸建て住宅をはじめ低層のビルやアパートで多く採用されています。
鉄筋コンクリートラーメン構造
 鉄筋コンクリート構造のうち、主要構造部が柱と梁のフレーム(枠)で構成された構造のこと。ラーメンとはドイツ語で「枠」を表す用語です。柱と梁の接合部は完全に固定されており、基本的に耐震壁や筋交いを入れなくても耐震性を確保できるため、間仕切りの少ない、広々とした室内空間をつくることができます。強度を高めるために、柱と梁の間に耐震壁を組み込む場合もあります。低層の住宅から超高層ビルまで幅広い建築物に対応しています。
補強コンクリートブロック造
 建築用コンクリートブロックの空洞に鉄筋を挿入して補強しながら耐力壁を積み上げ、壁の上下を鉄筋コンクリート造の梁や床スラブでつなぎ一体化した構造のこと。補強CB造とも呼ばれます。沖縄では米軍統治下の1950年、基地外で初めてのCB造住宅が建設されました。やがてRC造が主流になったあとも、躯体はラーメン構造で壁だけブロック積みにする家が多く見られました。一般的にRC造より建築費が安く、現在もRC造に次いで着工数の多い構造です。
混構造
 一軒の住宅に異なる構造を取り入れた、ハイブリッド構造のこと。フロアごとに分ける方法もあれば、躯体と屋根を別々の構造にするなど部分的に分ける場合もあります。沖縄の住宅でよく見られるのは、躯体を鉄筋コンクリート造あるいは補強コンクリートブロック造で築き、屋根と小屋組を木造あるいは鉄骨造にする組み合わせです。躯体を堅牢にして台風による風の影響を軽減し、屋根は熱伝導率の高い材料を選んで輻射熱を緩和するという意図が表れています。
木造軸組工法
 木造建築物の工法の一つ。昔から国内で育まれてきた工法の総称で、在来工法とも呼ばれています。基本的な構造としては、柱や梁、土台などの木材を縦横に組んで固定し、柱と柱の間に筋交いを斜めに入れて補強します。さらに最近の住宅では、壁材に構造用合板を採用したり、木材の接合部にさまざまな金物を用いることで、軸組全体の安定を図っています。これらの補強材は、内地では主に耐震性を高めるために用いられていますが、沖縄では台風時の強風対策として役立っています。
木造枠組壁工法
 北米で生まれた木造建築物の工法です。木材でつくった枠組みに、構造用合板などを釘で打ち付けて、壁や床などの面的な部材を形成していきます。断面が2インチ×4インチの木材を使用することから、「ツーバイフォー」の名称でも親しまれています。木造軸組工法と比べて使う部材の種類が少なく、部材の接合部が単純なつくりなので工期が短くて済み、職人の技量に左右されず安定した品質の住宅を建てやすい、といったメリットがあります。
用途地域とは
 都市計画法で定められた土地利用にかかわるルールの一つに「用途地域」があります。用途地域に指定された地区は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに区分されており、建てられる建物の大きさや用途などがそれぞれ規定されています。このうち住環境を保護するために設けられた住居系の用途地域は、建物の高さ制限に応じて「低層住居専用地域」「中高層住居専用地域」「住居地域」の3種類に分かれ、さらに住宅以外に建築可能な建物の用途によってそれぞれ第一種と第二種に区分されています(住居地域にはもう一つ、準住居地域という分類があります)。実際に家を建てるときには、これらの用途地域ごとのルールと合わせて、建ぺい率、容積率など建築基準法の規定や、地域独自の取り決めに沿って、計画していくことになります。

窓の名称と特徴

掃き出し窓
 窓の下枠が室内の床面と同じレベルにあり、上枠は人が出入りできるほどの高さがある大型の窓。掃除をする際にほうきでホコリを 掃き出せる”ことが名前の由来です。リビングの開口部やテラスに面した部屋など、人が頻繁に通る場所に適しています。
FIX(フィックス)窓
 ガラスが固定されて開閉できない窓のこと。はめ殺し窓とも呼ばれます。トップライトのように、換気の必要がない、採光を主目的とする場所によく設置されます。また丸形やひし形に加工したり、ワンポイントのデザインとして使われるケースもあります。
ルーバー窓
 ガラスの細長い羽根板を水平に重ね合わせた窓のこと。ジャロジー窓、ガラリ窓とも呼ばれます。ハンドル操作で羽根板の角度を調整し、すき間から風を通すことができます。設置場所は洗面室やトイレなどの水回りを中心に、一般の居室に使われることもあります。
ピクチャーウインドウ
 窓の外の景色がまるで絵画(ピクチャー)のように、窓枠(額縁)の中に納まって見える窓のこと。眺望を楽しむことを主目的にして設置されるケースが多く、サッシが視界の邪魔にならないように、FIX(フィックス)窓がよく用いられています。
ハイサイドライト
 吹き抜けや天井付近の壁面に設けられた窓。頭上より高い位置にあるため、窓を通して内外で人の視線が合うことがほとんどなく、住宅密集地での採光に適しています。窓を開閉できるようにすれば、室内上方に集まった温かい空気を効率よく逃がすことができます。
トップライト
 主に採光のために天井や屋根に設けられた窓のこと。天窓とも呼ばれます。壁面の窓と比べて採光量に優れ、建築基準法で有効採光面積を計算する際には、壁面の窓の3倍の面積に換算されます。一方で直射日光による熱対策や適切な雨仕舞いが必要になります。
窓の役割
 窓は採光と通風、視界をつかさどり、住まいの居心地を大きく左右する大切な要素です。特に高温多湿の沖縄では、室内に熱や湿気がこもらないように、風の出入り口となる窓をどこにどのように配置するのか、綿密に換気計画を立てる必要があります。また「室内に侵入する熱の7割は開口部から」といわれるように、窓辺の遮熱対策は必須です。窓の上に深い庇(ひさし)を造作したり、花ブロックや緑のカーテンを設置して、窓の外で日射を遮へいする方法もあれば、カーテンやブラインドのように窓の内側で対応する方法もあります。さらに最近では、2枚のガラス板の間に断熱層を挟んだ複層ガラスや、既存の窓に貼って熱線をカットするガラスフィルムのように、窓そのものの遮熱・断熱性能を高めるための製品も多く使われています。

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