沖縄の家週刊かふう特別編集「こんな家に住みたい」セレクション
ヨーロッパの町並みで見かけるような、華やかな雰囲気に包まれたRさん宅。
外国人仕様で一つ一つのスペースをゆったりとしつらえた、温かく開放的な住まいです。
華やかに新春を祝う広々した洋風の住まい
■家の広さが第一条件
広くて大きくて華のある、ヨーロピアンスタイルの家で暮らすこと。ご主人が外国籍で、奥さまは海外生活が長かったこともあり、Rさんご夫妻はそんなマイホーム像を思い描いていました。
実際に出来上がった家を見ると、薄いイエローを基調に自然石のタイルでアクセントを加えた外壁に、スペイン瓦を配した外観は、ヨーロッパの邸宅のイメージそのものです。約90坪ある敷地を目いっぱいに使い、室内は外国人仕様でゆったりと造られており、1階リビングダイニングが約26畳、キッチンだけでも8畳弱の広さがあります。2階には当初、家の周りにぐるりとバルコニーを巡らせる計画もありましたが、「できるだけ居住スペースを増やして伸び伸び暮らしたほうがいいだろう」と、今は3人のお子さまの個室とゲストルームが並んでいます。
Rさんが本格的に家づくりを始めたのは、ちょうど2年前でした。奥さまの実家の隣地を使えることになり、さっそく数カ所の完成見学会を訪問。その中で今回依頼した業者を訪ねたとき、「デザインも雰囲気も、まさに私たちが求めていた空間だ」とご夫妻そろって直感したそうです。スタッフの対応も迅速かつ丁寧で印象が良く、その際に伝えた要望をもとに作成してもらった家の見取り図にも大満足。見学会から契約まで、2週間足らずという早業でした。
外壁の所々にアーチや曲線を取り入れた優美な外観。写真右手に突き出た部分がガレージで、約15坪の広さがあります
リビングからダイニング、キッチンを見る。居室の床と天井はすべてペンキ仕上げ。好みの色合いに調整しました
コの字形のオーダーキッチン。御影石の天板、使い勝手に合わせてリメークしたキャビネットなど細部にこだわりました
ご主人の希望で、DVD鑑賞などが楽しめる個室を2階に設置。しかし住み始めてみると、家に居るときはいつも1階リビングで過ごすようになり、今ではバルコニー付きの豪華なゲストルームになっています
右/玄関。天井に傾斜をつけ化粧の梁を設置。床タイルや木製の扉も雰囲気を高めています
左/ガレージにはロフトスペースもあり、階段から直接2階へ入ることもできます
■細かな要望を随所に
大まかな間取りは、2階のバルコニーを除けば、ほぼ最初に提示されたプランのままです。とはいえ、打ち合わせの中でお二人とも自由に意見やアイデアを出し合い、細かな要望を幾つも取り入れてもらいながら、理想の住まいに仕上げていきました。
例えばデザイン面では、リビングの掘り込み天井とテラスの庇(ひさし)に化粧の梁(はり)を入れたり、玄関の天井に傾斜をつけるなど、ちょっとした遊び心を加えました。
機能面では、主寝室奥のウオークインクロゼットの壁面に、ホームセンターで購入した板を裁断して設置。キッチン横のユーティリティースペースにはバーを取り付けて、ハンガーを掛けられるようにしてもらいました。
苦労したのはキッチンのリメークです。納品当日、奥さまはワクワクしながら試しに使ってみたところ、キャビネットの扉の開き方にどうも違和感を覚えました。するとそれを知った担当者は、すぐに家具屋に依頼して、使い勝手に合わせて作り直してくれました。「家づくりは一生に一度。引き渡し間際だったのでどうしようか悩みましたが、妥協せず思い切って話してみてよかったです」と奥さまは振り返ります。
そんな思い出深い家づくりが終わり、新居で暮らし始めて約1年。住み心地についてご主人は「Comfortable」(快適だよ)とひと言。奥さまの実家が隣ということもあり、今年のお正月は、にぎやかに過ごしたことでしょう。
屋根付きで多目的に使える1階テラス。洗濯物を干したり、ご家族でバーベキューをするにも最適です
間取りもデザインも外国人仕様でプランニング
■クッション性を高めたホモジニアスタイルなど施工法をひと工夫。
テラスを通路代わりにして実家とのつながりにも配慮 ――
営業担当者・山田大輔さん談
日本人と外国人では、住宅に対するイメージのニュアンスが微妙に異なります。例えばRさんにとっての「広さ」とは、私たちが通常考えるよりはるかに広範囲を指し、最初の打ち合わせではリビングもキッチンも現在以上の広さを望んでいたほどです。私たちはこれまで多くの外国人の住宅を手がけた実績があったため、そのようなRさんの要望もスムーズにくみ取って、プランに反映させることができました。また将来への備えとして、米軍住宅として貸すこともできるように、米軍規定のサイズを満たすように設計しています。
家づくりに対してRさんご夫妻は明確な意見をおもちでしたので、私たちはできることとできないことを切り分けながら、建築のプロとして積極的に提案も行いました。例えば床材に使用しているホモジニアスタイルは、通常は土間に直貼りするものですが、クッション性を高めるために根太の上にベニヤ板を2枚敷いてから施工しています。Rさん宅は木目調のホモジニアスタイルなので、見た目も感触もフローリングのように仕上がっています。このほかウオークインクロゼットに2方向から出入りするアイデアや、未使用時はオブジェになる物干し受けの金物なども採用していただきました。
広さと大きさが際立つ一方で、奥さまの実家とのつながりにも配慮しました。圧迫感を与えないようタンクなどの位置を工夫するとともに、玄関ポーチと実家の勝手口の間にテラスを設けて一直線に結び、両家を容易に行き来できるようにプランニングしています。
1階ベッドルーム。茶色の壁の奥には約5・5畳の広さのウオークインクロゼットがあります。室内の壁は所々アクセントで色合いを変えました
右/ホモジニアスタイルと掘り込み天井の組み合わせで高さを演出。階段や廊下の幅も一般の住宅と比べて一回り広く設計されています
左/シューズクローク、ガレージのロフトなど収納スペースも豊富に設けました
デザイン性に優れた物干し受け。Rさんが建築中に訪ねた同社の完成見学会で見かけ、急きょ取り入れました
営業担当者の山田大輔さん(左)とインテリアコーディネーターの山城薫さん
■家づくりのヒント
■スタンプコンクリートやアーチ開口で華やかさを演出
Rさん宅の正面にはガレージのほかに約3台分の駐車スペースがあります。家の雰囲気に合わせて施工されたスタンプコンクリートが、華やかな雰囲気を演出しています。またアプローチ部分だけは色合いを変え、玄関ポーチとテラスにかかる庇にはアーチ形の開口を設けるなど、細部に至るまでデザイン性に気を配っています。
- ■株式会社アイムホーム
- 北谷町北前1-2-7 津嘉山ビル101
- http://www.imhome-okinawa.co.jp/
- 家族構成:
- 夫婦、子ども3人
- 所 在 地 :
- 沖縄市
- 設計施工:
- 株式会社アイムホーム
- 敷地面積:
- 306.32㎡(約92.66坪)
- 建築面積:
- 200.11㎡(約60.53坪)
- 延床面積:
- 313.07㎡(約94.7坪)
- 用途地域:
- 無指定
- 構 造:
- 鉄筋コンクリート造2階建て
- 完成時期:
- 2012年1月