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沖縄の家週刊かふう特別編集「こんな家に住みたい」セレクション

沖縄の家selection51

築35年のRC造住宅をリフォームした施主のNさん。
自らインターネットを使って業者を探して、主に床、壁、建具の内装工事と、庭の改修を行いました。

快適リフォームで、暮らし一新

快適リフォームで、暮らし一新

■ネットで情報収集

 いよいよリフォームに取りかかろうと、Nさんご夫妻は1年半ほど前にようやく重い腰を上げました。築約5年の優良物件を購入し、住み始めて30年。ほとんどメンテナンスをしてこなかったため、床ははがれ、庭の草木も伸び放題で、「まるで幽霊屋敷」と自嘲するほど、家の中は暗くよどんだ状態でした。
 とはいえ何から手を付けたらいいのか、知識もなければつてもなく、とりあえずはインターネットで情報収集を始めました。「私たちは建築についてはまったくの素人です。工事が始まればあとはお任せするしかないのだから、業者選びは時間をかけて慎重に進めました」とNさん。めぼしい業者を見つけては施工実績や体験談、経営理念などを丹念に調べ、候補をリストアップ。最後は完成見学会に参加して、依頼する建築会社を決めました。
 Nさん宅は、建坪30坪強のRC造平屋住宅です。打ち合わせ前に躯体を調べたところ、手入れをしていない割にはコンクリートのはく離などはなく、建築士も「しっかりした造りの家ですね」と太鼓判を押してくれました。そのため躯体は外壁の塗装直しだけにとどめ、傷んだ床の張り替えとキッチン回りの改修に重点を置いて、計画を立てていきました。
 4LDKだった間取りは一箇所だけ変更しました。リフォームの時期と前後して結婚し、家を出た長男夫婦が帰省時にくつろげるよう、洋室2部屋をつなげて一つにまとめました。全体的な部屋の配置は、以前とまったく変わっていません。

快適リフォームで、暮らし一新

BEFORE

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AFTER

キッチン
壁付けのL字型から対面式にモデルチェンジして、背面の吊り戸棚を改修。カウンターは建築会社が使い勝手を考慮して、玄関側の幅を予定より広めに設定しました。Nさんは「買い物してきた荷物などをそのままたくさん置けるので助かっています」と大満足です

快適リフォームで、暮らし一新

BEFORE

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AFTER

リビング・ダイニング
室内はチークの無垢材とタモ材の建具の木感を生かしたシンプルな仕上げ。壁の書棚はもともとの形を生かしつつ、扉も内部も新調しました。ベランダ側に大きく取られた窓から明るい光が差し込みます。以前は「家の中が汚くて見られると恥ずかしい」と閉め切っていたカーテンを、今では毎朝真っ先に開けるようになりました

■生活スタイルが好転

 工事はスムーズに進みました。段取りとしては最初に大まかな方向性だけを確認し、細かい箇所は施工中に現場で決めていきました。昨年7月に着工し、「長男の結婚式がある10月までに間に合うだろうか」とNさんはハラハラしていましたが、9月末には無事に完成。「式場へは夫婦そろって、きれいな新居から行くことができました」と大喜びでした。
 工事中は「大船に乗ったつもりで、建築会社にほぼ任せきりでした」とNさんは振り返ります。最も気になっていた傷んだ床は、古い合板をすべてはがし、チークの無垢(むく)材と交換しました。キッチンも壁付けのL字型から対面式に新調し、キッチン台の周りにはカウンターを造り付けました。壁際の吊り戸棚は扉だけを化粧し直して、真下に簡易的な食器棚を造作し、収納力を高めました。
 このほか「雨の日でも洗濯物が干せるように」と、リビングから庭に1メートルほど突き出た庇(ひさし)を利用して、室内にサンルームを増設したり、アプローチや庭の土を入れ替えて、新たに植栽を施しました。
 いざ暮らし始めてみると、随所に使い勝手の良さを感じるそうです。今までの生活スタイルも180度反転し、日中はカーテンを開けて過ごし、ガーデニングや鉢植えが趣味になり、友人知人を積極的に新居に招くようになりました。Nさんは「この家との出合いに改めて感謝して、大切に住み続けていきたいですね」としみじみと話しています。

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BEFORE

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AFTER

サンルーム
以前は犬走りを伝ってリビングと洋室を行き来していましたが、「今後は夫婦2人だけの生活。頻繁に移動する必要はなくなるだろう」と、リビングの床を柱の位置まで延長し、サンルームを新設しました

快適リフォームで、暮らし一新

玄関。リフォーム前後で造りは変わらないものの、床、壁、シューズケースを一新。特に壁はすべて濃茶色の板張りだったため、雰囲気が明るく華やかになりました。壁紙は白を基調としつつ、場所によって微妙に柄を変えています

快適リフォームで、暮らし一新

現在の洋室。2つの部屋を一つにつなげたことで、南北に広く風通しのいい空間になりました。写真正面に見える南側の壁には造り付けのカウンターを設置して、パソコンなどの作業台に活用しています

適材適所のプランニングで住み心地を高める

■既存の構造を生かして収納を確保。風雨・視線対策を施し開放感を生かす ――
担当・与儀美佐江さん談

 Nさん宅のリフォームでは内装工事を中心に、庭やアプローチの整地と、外壁、外構の塗装を行いました。限られた予算の中から優先順位を決め、あとは施工場所ごとに実際の使い勝手を考えながらプランを提案し、対応していきました。
 内装は天井を除いてほぼ全面的に造り替えました。今回のリフォームのメーンだった床の改修と対面式キッチンの設置に加え、ひと昔前の趣を残していた板張りの壁を、白を基調にしたクロスに張り替えました。人や物の往来が多い玄関周りは傷つきにくいよう腰板を貼り、キッチンは水はねに強く汚れが落としやすいパネルを施工しています。
 また家具をなるべく置かず造り付けにしたいという要望に合わせて、タモ材でカウンターや収納を造作しました。2部屋を一つにつなげた洋室には、柱の出っ張りとそろえて折り戸タイプのクロゼットを新たに設置し、収納力を確保しました。
 Nさん宅は崖上にあってリビングから北東方向の眺望が良く、庭のある南西面以上に日中の採光に有効です。一方で台風時の吹き込みや冬季の北風の影響が大きいことから、Nさんからは掃き出し窓を腰高窓に改修したいとの話がありました。しかしそれではせっかくの眺めが生かされないため、サッシだけを交換して雨戸を設置することにしました。さらにガラスには視線を制御するフィルムを貼り、プライバシーに配慮しています。

快適リフォームで、暮らし一新

LDK全景。ベランダに面して掃き出し窓が4枚。ガラスフィルムは外部からの視線を遮りつつ、室内からの眺めを妨げないタイプを施工しました

快適リフォームで、暮らし一新

改装後の洋室を南側から見る。正面奥に見えるのが新設した折り戸のクロゼット。入口のドアはリフォーム前のものを2箇所とも残しました

快適リフォームで、暮らし一新

BEFORE

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AFTER

外観
外壁も外構も白く塗り直したことで明るく清潔な印象になりました。土を入れ替えて植栽を整備し直し、アプローチには花を植えて楽しんでいます

与儀美佐江さん

与儀美佐江さん

■家づくりのヒント

■熟練の大工の技術が光る造り付けの木製建具

快適リフォームで、暮らし一新

キッチンカウンターをはじめ、収納、書棚、ドアなどの建具はすべて、専属の大工が造作したものです。既製品ではないので現場での寸法合わせや要望に即した微調整ができ、スペースを最大限有効に活用できます。細部まで手が行き届いた納まりの良い空間は、仕上がりの美しさが際立ち、長年にわたって使い勝手の良い状態が続きます。

■株式会社池原建設 企画事業部「ウインズ」
読谷村伊良皆237-1 098-921-5020
http://www.ikehara.net/
家族構成:
夫婦
所 在 地 :
豊見城市
設計施工:
株式会社池原建設
敷地面積:
270.00㎡(約81.60坪)
建築面積:
120.34㎡(約36.40坪)
延床面積:
104.33㎡(約31.60坪)
用途地域:
第1種低層住居専用地域
構  造:
鉄筋コンクリート造平屋建て
完成時期:
2012年9月

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