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沖縄の家週刊かふう特別編集「こんな家に住みたい」セレクション

沖縄の家selection51

三十代で家づくりに臨んだAさんは、住み心地を最優先し、夏涼しく冬暖かい木の家を造ることにしました。
風水やインテリアにもこだわり、家族が安心して暮らせる、モダンでシンプルな家を完成させました。

モダンな木の家で暮らす

モダンな木の家で暮らす

■「木の家を建てたい」

 Aさん夫妻は結婚四年目に、一戸建て購入を夢見て中古物件を探し始めました。なかなかこれといった物件に巡り合えずにいたところ、知人から「新築にしたらどうだ」と発想の転換を促されることに。「僕らの予算では新築は無理と思い込んでいましたが、住宅ローンの借入限度額や返済期間などでは、新築の方がメリットがあることが分かりました。そんなときに、妻の実家からそう遠くない場所に、比較的安い分譲地の売り出し広告を見付けたので、出掛けることにしました」とAさんは振り返ります。
 そこは交通の便の良い住宅地域で、価格も手ごろであったことから、すぐに購入を決めたそうです。設計条件付きの土地だったので、早速建築士との打ち合わせに臨むことになりました。その時点ではAさんの「住みたい家の形」はまだ定まっていなかったのですが、家づくりで後悔したくない、という思いから猛勉強を始め、集中して家づくりに取り組みました。
 当時住んでいたコンクリート造のアパートは、夏は大変暑く冬は大変寒かったこともあり、「木の家は夏涼しくて、冬暖かいこと。温度や湿度を調整する機能があるということを知り、木の家を建てたい、と思うようになりました。また風水にもこだわりました」とAさん。建築士からコンクリート造との違いなどのアドバイスを受けて検討し、木造のメリットを生かした家づくりに取り組むことになりました。

モダンな木の家で暮らす

右/玄関ホール側からリビングと和室を見る。和室には大きな開口を造って風と光を取り入れ、リビングはあえて開口を設けずに落ち着いた雰囲気に仕上げています。リビングのみ化粧梁を見せて天井の高さを演出。またダウンライトにLEDを使用するなど、エコにも配慮しています
左/和室からリビングとキッチンを見る。和室には琉球畳を使用

■基調色は白とダークブラウン

 Aさんの家はスペイン瓦葺きの木造二階建てで、前面に車二台分の駐車スペースが設けられています。一階は道路に面した北東側にキッチンとリビング、和室をオープンにしてつなげ、南側には玄関、西側に水回りを配置。二階には寝室と子ども室があります。
「木造はシロアリの被害が出やすいので、コンクリートのベタ基礎の下にシロアリ対策用のパイプを通し、定期的に薬剤を散布する仕組みを取り入れています。敷地の形状による制約はありましたが、玄関や水回り、主寝室の位置など、なるべく風水も取り入れつつ住みたい家を形にしていきました」とAさん。
 キッチンは対面式で、リビングや和室はもちろん、玄関の出入りや階段の上り下りなどにも目が行き届くようになっています。リビングの天井は構造体を見せることで木の風合いが楽しめるよう、開放的な仕上がりに。和室には大きな開口部とぬれ縁を設け、風と光をふんだんに取り入れています。
 インテリアの基調色は白とダークブラウン。「最初は壁の色は全部白にしたいと思っていましたが、小さな子どももいるし、手あかなどが気にならないように二色使いにして下の方の色を濃くしました」と奥さま。収納にもこだわり、一階の階段下や床下、キッチン背面を有効活用。二階には十分な広さのウオークインクロゼットを設けました。
 家づくりに全力で取り組んだAさん。家族が安心して暮らせる、住み心地の良い家に大満足です。

モダンな木の家で暮らす

右/玄関を風水で良いとされる南東側に配置。敷地奥まで延ばしたアプローチの先には庭が見えます
左/2階寝室。一面だけ壁のクロスを替えてアクセントにしています

モダンな木の家で暮らす

広々とした玄関。人の出入りが分かるように、キッチンとホール間の壁にスリットを入れています。左の扉を開けると階段下の収納へ

モダンな木の家で暮らす

キッチン背面の造り付け収納に壁と同一のクロスを張って、部屋の印象をすっきりとまとめています

モダンな木の家で暮らす

2階子ども室。廊下側にクロゼットを設置。将来は2室に仕切って使うことも

夏涼しく、冬暖かく。ぬくもりのある家づくり

■台風やシロアリに強い木材や新建材を使用し耐久性を確保 ――
建築士・宮城利行さん談

 敷地は傾斜地で土地も広いとは言えず形状も長方形です。そこで高低差を生かし、前面に駐車場を設け、住宅部分は一・五メートル高くしてプライバシーにも十分配慮しました。形状的に飛び出た敷地には庭を設け、住宅部分と庭とでそれぞれに狭い敷地を有効に活用しました。
 台風やシロアリ対策として、耐久性のある木材や外装材などの新建材を使用しました。また床下に点検口を四カ所設け、日ごろから維持管理がしやすいように配慮しています。
 風水を取り入れたプランで、門扉や玄関の大きさ、部屋の配置にもこだわりました。例えば玄関の配置を風水で良いとされる南東側に置くために、アプローチを敷地の奥まで延ばしました。アプローチが単調にならないために、その目線の先には庭を見渡せるようになっています。
 木造は構造上、開口に制限がかかりますが、補強材を多用するなどして、できるだけ開口を大きく取るようにしました。また共働きで家を空けることが多いため、階段に通風・採光に有効な吹き抜けを設け、子ども室の間仕切り壁を可動式にすることによって、風の通り道に配慮しています。さらにキッチンや階段などには小窓や高窓を配置し、風の通り道をできるだけ多くつくりました。小窓は突き出し窓にすることで、雨が入り込まないように工夫し、道路側の開口部は、騒音やプライバシーに考慮してできるだけ小さくしました。
 二階バルコニーに隣接して設けた多目的スペースは、雨天時の洗濯物干し場や家事スペースとして、また子どもの成長に合わせてパソコンを置くなど、共用スペースとしても利用できます。
一階のリビングは二階の床を利用して、化粧梁を見せることで天井の高さを演出し、ダウンライトや間接照明をうまく取り入れて、木の温かさとクロスの柔らかさを生かしたモダンな仕上がりになっています。

モダンな木の家で暮らす

外観。騒音やプライバシーを考慮して1階道路側の開口は抑えています

モダンな木の家で暮らす

和室から続くぬれ縁。芝生の庭ではバーベキューを楽しむことも

モダンな木の家で暮らす

広々とした造りの階段には、風が通るように小窓や高窓を配置。雨が入り込まないように、小窓は突き出し窓です

宮城利行さん

宮城利行さん

■家づくりのヒント

■隠す収納ですっきりと

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Aさんは、階段下や床下の四つの点検口を床下収納に活用。またキッチン背面の収納棚の扉は壁と同一のクロスを張ることで、リビングのインテリアになじみ、すっきりした印象に仕上がっています。

■(有)MCEコーポレーション
西原町字上原126-15 098‐944‐6535
http://www.mce-corp.net/
家族構成:
夫婦、子ども1人
所 在 地 :
浦添市
設  計:
(有)MCEコーポレーション 宮城利行
敷地面積:
142.54㎡(43.11坪)
建築面積:
60.87㎡(18.41坪)
延床面積:
115.09㎡(34.81坪)
用途地域:
第1種低層住居専用地域
構  造:
木造軸組み
完成時期:
2010年9月
  • 施 工 業 者
  • ●施工/(株)喜納工務店
  • ●電気/石橋工業(株)
  • ●水道/(有)當江電気

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